母乳育児
基本理念
すべての赤ちゃんの<おっぱいを吸いたい>という本能からの権利を守り、母親の<おっぱい吸うのかな?吸わせてみようかな?>という自然な思いを育む母乳育児支援をいたします。
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私たちの目は母子が母乳育児を通して楽しく自信をもって育児ができるように見守ります。
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私たちの鼻は、不必要な乳業会社の宣伝や母乳育児を妨げるものをかぎ分け、取り除きます。
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私たちの口は、母乳で育てる利点と方法を、妊娠中から、産後退院されたあとも具体的にわかりやすく教えます。
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私たちの耳は赤ちゃんの泣き声、母親の不安の声に耳を傾け、赤ちゃんが欲しがる ときにいつでも母乳が飲ませられるように援助します。
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私たちの手(技)は、母親を助けて、健やかな妊娠生活、あたたかい安全な出産を援助し、出生後の赤ちゃんが母乳を欲しがる早い時期に母乳を飲ませられるように援助します。
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私たちの頭(知)は、医学的に必要でない限り、赤ちゃんに母乳以外の栄養や水分を 与えないようにします。医師はその医学的根拠のために、薬剤師は薬による不要な制限をなくすために、栄養士は食育の視点で、助産師・看護師は母子の一番近いところで考えます。
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私たちの足は、生まれて間もない赤ちゃんの<おっぱいのところに行きたい><お母さんのところにいたい>が叶うよう、カンガルーケアから、終日母子が一緒にいら れるよう母子の側に通います。
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私たちの医療チームはすべての関係職員全員で母乳育児を応援します。そして、病院からのネットワークを活かし、母乳で育てる母親のための支援グループ作りを助け、それを母親に紹介します。
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私たちの心は、ここで始まる母子の関係が赤ちゃんのこれからの人を信頼する気持 ち、愛、母と子の絆の始まりであるという強い責任感と信念をもって母乳育児を援助してまいります。
「母乳育児支援における当院の取り組み」
神戸医療センターの産婦人科病棟である4階病棟では、全ての母親が母乳育児を楽しく継続できるよう母乳育児支援に力を入れています。
神戸医療センターはBFH(赤ちゃんにやさしい病院)認定病院です。
当院の理念である「すべての人の立場にたった医療サービスの提供」を基に、赤ちゃんの立場にたって母乳育児を奨めるため、助産師外来にて妊婦さんへ母乳育児の意義や方法をお話したり、乳頭のケアを行っています。また産後には母乳外来を設置し、退院後の母乳育児への不安に対応しています。
助産師外来で一貫性のあるケアを行うことで、母乳率も上昇し母親と私たちの間に信頼関係が生まれ、母乳だけでなく小さな不安をも相談できる場となっています。
このような取り組みを進める中で平成19年12月に母乳育児推進委員会が設置され、平成21年にはWHO/ユニセフが認定するBFH<Baby Friendly Hospital>となりました。
BFHは、WHO(世界保健機関)とユニセフ(国連児童基金)によって認定されます。赤ちゃんにやさしい病院として、WHOとユニセフが定める「母乳育児を成功させるための十か条」に基づき、しっかりと育児ケアがされている病院及び施設を認定するものです。