病理診断科

特色

神戸医療センターには、あらゆる臨床検査を担当する「臨床検査科」があり、その中にはがん診療に大いに貢献している「病理検査室」があります。

平成28年4月より「病理診断科」を標榜することとなりました。

ここには、がんの他に種々の病名を診断する「病理医」がいます。病理医は、直接患者さん方やご家族の方とお会いすることはありません。採取あるいは切除されたあらゆる種類の臓器・組織に対して「病理診断」を下すことによって、臨床医・主治医を通じて患者さん方の診療に貢献しているわけです。

特にがん診療に関しては…
  • 組織診断:採取された組織の中に、がんの成分が認められるか否か、がんとすれば、どのような顔つきなのか(「組織型」といいます)を診断するものです(←あらゆるがん診療についての基本といえます)
  • 手術診断:(広義では上記の「組織診断」に含まれるものですが)がんに対して手術がなされた際、各種のがんに関する「取扱い規約」に基づいた診断を行います。すなわち、どのような種類のがんなのか(組織型は何か)、広がりや大きさ・深さはどうか、どの程度の進行か(「病期」の決定)、取り切れているか(「根治度」について判定)等の診断を行います
  • 術中迅速診断:時に、手術中にも診断を行います。臓器・組織の周囲リンパ節にがんの転移があるかどうか、切除断端部にがんの組織が認められるか否か、等の診断を行います
  • 細胞診断:採取された組織の中の、細胞レベルにおいてがんに相当する悪性の細胞が認められるか否かを診断するものです。細胞検査士(「スクリーナー」といいます)の資格をもつ臨床検査技師がまず検査を行い、悪性(すなわち、がん)である、あるいは悪性が疑わしい細胞が認められる場合には病理医が最終的に決定します
病理解剖

がんに限らず、不幸にして患者さんが無くなられた場合、ご遺族の方の了承のもとで、解剖を行います(「剖検」ともいいます)。亡くなられた患者さんにどのような病気があったのか、主要な病気の程度や広がりはどうだったのか、最終的にどういった原因で亡くなられたのか、といったことを明らかにするために行います。臨床医・主治医に対して結果を明らかにし、今後の診療に役立ててもらうためにあるものです。

担当医の紹介

臨床検査科部長 藤田 昌幸
出身大学
出身高校
神戸大学 1991年卒業
大阪星光学院高等学校
学位
専門・得意分野
博士(医学)神戸大学 平成9年取得
一般病理(特に消化器、婦人科、乳腺病理)
所属学会、役職
専門医資格など

日本病理学会(学術評議員、専門医資格あり)

日本臨床細胞学会

日本小児病理研究会

日本組織細胞化学会

日本癌学会

日本内科学会

日本血液学会

日本小児血液・がん学会

趣味、特技 音楽鑑賞、スポーツ観戦、スポーツクラブでのトレーニング
ひとこと 病理医は患者さん方と直接お会いすることはないものの、病理診断は診療行為に直結することから、「もう一人の主治医」と考えて職務にあたっております。

診療実績

令和3年度

病理診断数
2019年度 2020年度 2021年度
組織診(術中迅速診断) 3,194
(86)
2,672
(76)
2,949
(89)
細胞診 3,083 2,991 3,077
剖検 13 12 5