Q4.家族が患者さんに話をする時、どのような接し方をすればよいでしょうか?

人に話を聞いてもらうことで、とても癒されます。話を聞いてもらうだけで病気は良くなりませんが、話を聞いてもらうだけでも元気が出るものです。

1. とにかく患者さんの話を良く聞きましょう
まず、患者さんが話せる状態かどうかよく考え、わからない時は「いま話ができそう?」と聞きましょう。話をする時は、とにかく患者さんの話に聞き入りましょう。
次のようにすると、患者さんは、より話しやすくなります。

  • 大きくうなずきながら聞く。
  • 何度も相槌をうつ(「うん、うん」「なるほど」「ふーん」「へぇー」「それで」など)。
  • ときどき視線を合わせて、患者さんの目を見ながら話を聞く。
  • 込み入った話の時には、メモを取りながら聞く。

時間配分は、患者さんの話す時間が80%以上、自分が話すのは20%以下と考えると丁度良いようです。

2. とにかく患者さんの話に同調する
人は基本的に、自分の言うことを否定されることを好みません。
はぐらかしたり、ごまかしたりして話題を変えると、患者さんは自分の話を奪い取られたような気がして不愉快になるものです。
次のように患者さんに同調すると、患者さんもより話しやすくなります。

  • 患者さんの話を否定しないで、まずは肯定して、話の内容を合わせること。
  • さらに詳しく話してもらうよう、話のペースは患者さんに合わせること。
  • 声の大きさは、患者さんの声の大きさに合わせること。
  • 笑顔には笑顔で、深刻な表情にはこちらも真剣な表情で、態度を合わせること。

自分のペースで説得や説教をしないことが大切です。

3. とにかく返事を用意しないで白紙の状態で聞く
患者さんの話の途中で、アドバイスしたくなることがあります。でも、まずは患者さんのしてきたこと、これからしようとしていることを尊重する態度が大切です。「自分だったら・・・」などと、自分の感覚を押しつけるのも良くありません。
次のように、患者さんに対応すると、話をしやすくなります。

  • 「がんばってね」とさらに励ますのではなく、「よく頑張ってるね」「すごいね」と相手の頑張りを認めねぎらい、言葉に出してほめるようにする。
  • 相手が、がんと闘っていることをさらに意識することなく、元気なころとなるべく同じように話す
  • 相手が黙ってしまった時には、こちらも話をやめて同じように黙ってみる。

患者さんと一緒に答えを探すという気持ちで、相手の話を聞くようにしましょう。