患者さまによって「緩和」の意味するところは変わると思います。痛みなどがあり、そのつらさを和らげることが優先される場合、がんに対する治療を行ってきたが、治療の効果がない、あるいは効果がないときにその治療にかわる抗がん剤治療がない場合、あるいは全身状態（心肺機能、腎機能、栄養状態など）から考えて、抗がん剤治療はかえってデメリットになると考えられる場合などがあります。
抗がん剤治療ではなく緩和ケアが主となる場合であっても、それは何もしないことではありません。がんにかかっている患者さんやご家族が、がんや治療によって生じた様々なつらさをやわらげるための治療やケアを行うことも患者さんが、自分らしく生き、生活の質を維持するための大切な治療やケアになります。